2011-02-14
- 研究開発
研究開発記事(その8)
炭水化物栄養補助食品が安静時の脳活動に与える影響について
【概要】
【概要】
グルコースは脳の主なエネルギー源であると同時に、いくつかの単糖誘導体とともに脳内ガングリオシドを構成し、神経機能面で重要な役割を果たす。しかし、グルコースや他の単糖類が安静時脳活動に与える影響については、ほとんど情報がない。
本研究では、健常な男子大学生20人を対象に、グルコースとその誘導体のいくつかを含有する炭水化物栄養補助食品を単一用量摂取した場合に、安静時脳活動がどのような影響を受けるかを評価した。当該栄養補助食品はわずかな量の炭水化物(3.9g)、タンパク質(0.28g)、脂質(0g)、カロリー(14kcal)を含有。グルコースの含有量は0.5g(成人を対象に認知機能と記憶力への影響を調べた研究で使用された量の1%)だった。
我々は、糖質栄養素を含む栄養補助食品によって覚醒と注意力に関連する脳活動が強化されるとの仮説を立てた。研究デザインは、被験者を2通りに分けて無作為割付けをした二重盲検で、第1週目に炭水化物栄養補助食品を摂取し、その後第2週目にはプラセボを摂取する群と、その逆の摂取方法の群で試行。脳の電気的活動は前頭部、頭頂部、後頭部にそれぞれ設置した2つ一組の3セットの電極を含む、国際10-20法で定められた9ヶ所に配置した15の電極でモニターした。プラセボまたは炭水化物栄養補助食品入りの飲料を摂取してから30分後、被験者が静止した視覚対象に集中している間の脳波計(EEG)を10分間記録。安静時脳活動のスペクトルパワーを計算・分析し、プラセボと炭水化物栄養補助食品摂取群を比較した。
プラセボ摂取群と比較して、炭水化物栄養補助食品摂取群は、注意力や覚醒と関連することが知られている3つの脳波周波数(シータ波、アルファ波、ベータ波)のスペクトルパワーを有意に強化した。炭水化物栄養補助食品摂取群ではこうした変化が見られたが、プラセボ摂取群では変化が見られなかったため、本研究では糖質栄養素を含む栄養補助食品によって糖をより多く摂取することで、脳の電気活動の強化が促進されることが示唆された。ベースラインの記録で明らかに覚醒が強化されたことが作業成果の改善と関連するかについては、さらなる研究が必要である。
本研究では、健常な男子大学生20人を対象に、グルコースとその誘導体のいくつかを含有する炭水化物栄養補助食品を単一用量摂取した場合に、安静時脳活動がどのような影響を受けるかを評価した。当該栄養補助食品はわずかな量の炭水化物(3.9g)、タンパク質(0.28g)、脂質(0g)、カロリー(14kcal)を含有。グルコースの含有量は0.5g(成人を対象に認知機能と記憶力への影響を調べた研究で使用された量の1%)だった。
我々は、糖質栄養素を含む栄養補助食品によって覚醒と注意力に関連する脳活動が強化されるとの仮説を立てた。研究デザインは、被験者を2通りに分けて無作為割付けをした二重盲検で、第1週目に炭水化物栄養補助食品を摂取し、その後第2週目にはプラセボを摂取する群と、その逆の摂取方法の群で試行。脳の電気的活動は前頭部、頭頂部、後頭部にそれぞれ設置した2つ一組の3セットの電極を含む、国際10-20法で定められた9ヶ所に配置した15の電極でモニターした。プラセボまたは炭水化物栄養補助食品入りの飲料を摂取してから30分後、被験者が静止した視覚対象に集中している間の脳波計(EEG)を10分間記録。安静時脳活動のスペクトルパワーを計算・分析し、プラセボと炭水化物栄養補助食品摂取群を比較した。
プラセボ摂取群と比較して、炭水化物栄養補助食品摂取群は、注意力や覚醒と関連することが知られている3つの脳波周波数(シータ波、アルファ波、ベータ波)のスペクトルパワーを有意に強化した。炭水化物栄養補助食品摂取群ではこうした変化が見られたが、プラセボ摂取群では変化が見られなかったため、本研究では糖質栄養素を含む栄養補助食品によって糖をより多く摂取することで、脳の電気活動の強化が促進されることが示唆された。ベースラインの記録で明らかに覚醒が強化されたことが作業成果の改善と関連するかについては、さらなる研究が必要である。
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Wang C, Szabo JS, Dykman RA. Effects of a carbohydrate supplement upon resting brain activity. Integr Physiol Behav Sci 2004;39:126-38.
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