2011-04-05
  • 研究開発

研究開発記事(その9)

天然由来の原材料から製造された製品の免疫賦活性を評価するための高感度な試験管内実験法

【概要】
背景
:天然由来の原材料から製造された製品の一部は、ヒトの免疫システムの機能を強化させる可能性がある。しかし、原材料や製造方法が製品の有効性に有意な影響を及ぼす可能性がある。化学的組成が類似している製品であっても、生物活性に関して大きく異なることもある。望ましい性質を確実に持つ製品を製造するには、生物活性を評価する手段が必要である。試験管内では、ヒト単球系細胞株THP-1は初代ヒト樹枝状マクロファージ(好中球)と同様の反応を呈することから、天然由来の原材料から製造された製品の生体内での活性を予測しうる可能性がある。

目的
:原産地の異なる複数のアロエベラジェルで、THP-1細胞内の腫瘍壊死因子(TNF)産生能に相違があるかどうかを調べること。

実験方法
:実験では5つの原産地から採取されたアロエベラを使用した。アロエベラジェルは、可溶化を促進するために0.05%ツイン20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート)を添加したリン酸緩衝生理食塩水で懸濁した。溶液は0.22μmシリンジフィルターで連続濾過後、100,000MW分画フィルターで濾過した。単球細胞株THP-1はホルボールミリスチルアセテート(PMA)を50ng/mLを加えると、マクロファージ様表現型に誘導された。次に、アロエベラ懸濁液を加え(10% v/v)、24時間後にマイクロビーズを用いたELISA分析法(Luminex)でTNF産生量を測定した。また、細胞生存率をミトコンドリア機能(テトラゾリウム塩の還元、MTT)により測定した。陽性対照には大腸菌O157由来リポ多糖類(LPS)を用いた。

実験結果
:100μg/mLの濃度のアロエベラジェル溶液5種類のうち2種類で、LPSを500 ng/mLと高用量で用いた場合と同程度のTNF誘導が確認された。前2種類の溶液ではアロエベラジェルの濃度が1 μg/ml と低い場合でもTNF誘導が確認された。一方、後3種類のアロエベラジェル溶液ではTNF誘導は確認されなかった。前2種類のアロエベラジェル溶液では0.22μmシリンジフィルターで連続濾過するとTNF誘導が80%減少し、その後さらに100,000MW分画フィルターで濾過するとTNF誘導は100%減少した。実験前に100℃で30分間加熱した場合、TNF発現に変化はみられなかった。TNF発現の程度とMTTで測定した細胞生存率との間には、反比例の関係がみとめられた。

結論:本実験では化学的組成が類似するアロエベラジェル溶液でも、免疫応答を誘導する能力に関して有意差があることが示された。濾過実験の結果は、アロエベラジェル微粒子の関与を示唆していた。アロエベラジェルには従来の分析手法では検出できない性質があるといえる。今回の実験方法は、免疫学的活性を持つ天然由来の原材料から製造される新製品開発の面でも、原産地や生産者の異なる原材料の活性を判断する上でも有益だといえる。

※本論文はマナテック製品の効果・効能を示すものではありません。マナテックのすべての製品は病気の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
 
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John Kalns, Ph.D., Jakob Kirchner, Ph.D., Samuel Ebong, Ph.D., Cherie Oubre, Ph.D.
2nd Place Winner at the Scripps Centre for Integrative Medicine’s 4th Annual Natural Supplements Conference, San Diego, California, January 19-21,2007.

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